【教員必見】5つの設計力とは?〜小中高で育てたい思考力と指導の視点〜





前回の記事では、日本の教育の

「残すべき点」

「見直す視点」について整理しました。



現場では

知識の定着や基礎学力を重視する一方で

「正解を出すこと」

偏りやすいという課題も指摘されています。



そこで本記事では

「設計側に回る」という思考の視点に注目し


  • 問題をどのように設定するか
  • どのように考えを構造化するか
  • どう検証し、説明するか

という5つの力を整理します。



小学校・中学校・高校それぞれの段階で

どのように育てられるのかも

あわせて考えていきます。



よろしければ、前回の記事である

教育関係者必見|日本の教育は何を残し何を変えるべきか―経済成長につながらない本当の課題とは【2026年最新】

をご覧になると、理解が深まります。


「設計側」に回るとは?〜これからの教育の一つの視点〜






ここで提案したいのが

「答える力」に加えて

「決める力」

目を向ける視点です。



与えられた問題を解く力は重要です。

しかし、社会では

「何を問題にするか」


決める場面も多く存在します。



その意味で、「設計側」とは

問いを立て、構造化し、検証し、説明する

立場に立つことと整理できます。



具体的に5つの教育的要素

ポイントになるのではないかと考えています。

1.問題設定力
2.抽象化
3.モデル化
4.検証
5.説明・説得


「答える力」と「決める力」の違い




「答える力」

与えられた問いに対して

正確に解答する力です。



一方、「決める力」

何を問いとするかを選び

方向性を定める力
といえます。



学校教育では前者が重視されがちですが

社会では後者も同様に求められます。



両者を対立させるのではなく

土台と発展の関係で捉えることが重要です。


なぜ今「設計力」が注目されるのか




社会の変化が速くなる中

既存の正解だけでは

対応しにくい場面が増えています。



そのため、課題を自ら設定し

仮説を立て、検証する力


注目されています。



知識量だけでなく

それをどう組み合わせ

活用するかという視点


教育においても問われ始めています。



それでは、5つの設計力を

詳しく見ていきましょう。


問題設定力




「問題設定力」とは

「何を解くべきかを決める力」

のことを指します。


教育現場では

「とりあえず対策を考える」ことが先行し

本来の課題が見えにくくなる場面もあります。




具体例:

「学力が落ちている」



「学力を上げる方法」を考える

⭕️どの教科・どの単元

 なぜ変化が起きているのかを整理する



次回のテストの目標設定をしても

「何分勉強する」というような

回答をする子どもが多いように感じます。




なので

「原因を特定する視点」を

育てることが目的の一つと考えられます。



教育例:

・問題文がない問題を解く(何を問われているか考える)

・現象から問いを作らせる(正しい課題を設定できる)


抽象化




「抽象化」とは

個別事例から共通構造を抜き出す力

のことを指します。




具体例:

「各クラスで自主学習の提出率に差がある」



・提出の構造、掲示などの呼びかけ

・意欲性の工夫、数値での変化の視覚化

などを、考えさせる教育




理由:

一度整理した考え方が

別の場面でも応用しやすくなる

という利点があります。



自分の考えを持つことや

創意工夫を考えることで

課題解決能力の向上にも

期待できます。



抽象化ができると

別の場面にも応用しやすくなるため

学びの汎用性が高まる可能性があります。




教育例:

・話し合いでの言語化を育てる

・生徒主体の学校やクラス、部活動経営


モデル化




「モデル化」とは

頭の中の仮説を立てる力

のことを指します。




具体例:

「様々なデータを具現化」



数式、図、フローチャート、シミュレーション

などを、活用する教育




理由:


考えを可視化することで

他者と共有しやすくなり

検証につなげやすくなる場合があります。



特に数字で物事を表すことは

視覚的に自身に取り入れやすく

イメージがしやすくなります。




学習例:

・運動能力などの数値から読み取る(暗黙知ではない)

・数値などの変容の要因を考える(なぜ?を持たせる)


検証




「検証」とは

仮説が正しいか確かめる力

のことを指します。




具体例:

「運動能力の向上の取り組みを実践する」



5月と10月の比較をする

条件を変えて比較する

などの、材料比較と実践をする教育




理由:

「思い込みを排除し、改善を加速させる」



現場では

「うまくいった・いかなかった」

で終わってしまい

なぜそうなったのかが整理されない

ことも少なくありません。



結果だけでなく

仮説とのズレを振り返ることで

改善の精度が高まる可能性があります。




学習例:

・分析と検証結果の相違を評価する

・結果ではなく、検証過程を重視する


説明・説得




「説明・説得」とは

考えたことを他人に動いてもらえるよう伝える力

のことを指します。




具体例:

「試験前は徹夜はしない方がいい」



論理的に説明する(脳構造的なもの)

図解や具体的なストーリーを示す


などの、説得性を持たせる教育




理由:

設計的な役割を担う場面では

考えを分かりやすく伝え

周囲の理解を得ることが求められる

場合があります。



技術や知識の獲得だけではなく

今までの課程をフィードバックする

という役割も担っています。


学習例:

・暗黙知ではなく、調査内容を用いて説得する

・行動を促すような説明をする


5つの設計力は「流れ」で育てる






これら5つの設計力

単独で機能するというよりも

問題設定 → 抽象化 → モデル化 → 検証 → 説明

という流れの中で循環させることで

効果を発揮しやすいと考えられます。



授業の一場面だけで完結させるのではなく

単元設計の中に組み込むことが一つの方法です。



なんとなく分かったけど

「正解を教える」以外の

学習方法
ってどうやるの?




具体的な学習例はたくさんあります

環境や実態によっても異なります




ぜひ、進めてほしいのが

・プロジェクト学習
・ディベート
・設計課題
・職業体験


などです




これらは、いずれも

「答えのない課題」を扱います。


教育段階別(小中高)の教育方法






日本の教育は

専門分化が遅いという

捉え方もできます。




それに加え

基礎知識獲得学力平均思考

重視する傾向があることも

否めません。


そこで、教育段階別の教育方法の

有効的な内容を説明したいと思います。


小学校段階




小学校は

「土台作り」の時期です




規律・協調・基礎学力を維持しつつ

・「なぜ?」を歓迎する学習
・答えが複数ある課題
・観察→仮説→発表の流れ




このように

「問いを立てる」学習を目的とし

こうした姿勢を大切にすることが

学びにつながる場合があります。


中学校段階




中学校は

「思考の型を教える」時期です




小学校の学習に加えて

・論理的な思考(理由や根拠)
・データの見方
・モデルの活用(図、表、関係性)




このように

「考え方」を強化することで

学びにつながる場合があります。




例として、数学×社会

     理科×技術

     国語×ディベート

などを組み合わせることが

一つの方法と考えられます。


高等学校段階




高等学校は

「専門性と設計」の時期です。




これまでの一律型から

選択肢を広げることも一案です。

・探究必修
・ビジネス/技術プロジェクト
・レポート/プレゼン評価




このように

設計→検証→説明

回していきます。


日本の教育改革の設計図






学校構造

・小:問いをほめる

・中:思考の型を学ぶ

・高:専門と設計を回す




評価

・正解→思考

・一発(テスト)→蓄積

・失敗減点→挑戦加点




社会との接続

・企業や自治体と連携

・実課題を教材にする

・学びと経済を接続




これらはあくまで一例ですが

教育の設計を見直す視点として

参考にできる部分もあるのではないでしょうか。

また、地域や学校の実情に応じた

調整が前提となります。


5つの設計力を授業に落とし込む視点






設計力を育てるには

正解だけでなく

思考過程も評価対象に

含める視点
が重要です。



結果だけを見る評価では

挑戦や仮説の試行が

見えにくくなります。




過程・根拠・改善の工夫を記録し

蓄積型で評価する仕組みが

一つの方向性として考えられます。



※評価についてはこちらの記事を
 参考にしてください。
 →【教員必見】知識記憶から考える力を見る時代へ
   〜思考・判断・表現の評価観〜




また、設計的な学びは

実社会の課題と結びつけることで

具体性を増します。



企業や自治体との連携

地域課題を教材化する試みは

その一例です。



教室内で完結させるのではなく

社会との往還を意識することで

学びの意味付けがより明確になります。


まとめ






本記事では

「設計側」という視点から

5つの力を整理しました。


  • 問題設定
  • 抽象化
  • モデル化
  • 検証
  • 説明・説得




これらを段階的に育てることで

「正解を出す力」に加えて

「問いを設計する力」

重ねることができるかもしれません。



基礎学力を土台としながら

設計思考をどう組み込むか。



それが、これからの教育設計を

考える一つの視点となるでしょう。


ここまで読んでいただいてありがとうございます。
拙い文章だったと思いますが
次回も読んでいただけると幸いです。

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