近年、学校現場では、「AI活用」や「生成AI 教育」
といった言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。
文部科学省も生成AIに関するガイドラインや
実践事例を公表し、教育現場ではChatGPTやGeminiなどの
生成AIを授業や校務に活用する動きが広がっています。
一方で、
- 学校でAIを使って本当に大丈夫なのか?
- 子どもの考える力は低下しないのか?
- 教員はAIをどこまで活用してよいのか?
- AIは働き方改革につながるのか?
このような疑問や不安を抱えている先生も
多いのではないでしょうか。
特に若手教員は、授業づくりや校務
生徒指導など覚えることが多く
「AIを使って効率化したい」と考える一方で
「本当に正しい使い方なのだろうか」と
迷う場面も少なくありません。
そこで本記事では、文部科学省
『初等中等教育段階における生成AIに関するこれまでの取組み』
をもとに、学校現場でのAI活用の実態や課題
実践事例を分かりやすく解説します。
そして最後には、「教員はAIとどのように付き合えば
子どもの成長と自分自身の成長の両方につなげられるのか。」
その答えを、私自身の考えも交えながらお伝えします。
学校現場でのAI活用の実態
学校現場でのAI活用の実態について
文科省から出ている
「初等中等教育段階における生成AIに関するこれまでの取組み」
(令和6年7月25日
初等中等教育局学校デジタル化プロジェクトチーム)
をもとに簡単にまとめていきたいと思います。
①この資料について
- 文部科学省が作成した「初等中等教育段階における生成AIの取組み」に関する資料。
- 学校で生成AIをどのように使うべきか、実際の事例や課題をまとめている。
- 令和5年度・令和6年度のAIパイロット校の実践結果も紹介されている。
②基本的な考え方
- 生成AIは便利だが、間違った情報や個人情報の流出などの危険もある。
- AIにすべてを任せるのではなく、自分で考える力を育てることが大切。
- 「学習指導要領で育てたい力」を弱めないかを考えながら使う必要がある。
③学校での生成AI利用の方向性
- AIの安全な使い方を調べるため、一部の学校で「パイロット校」として実践。
- 成果と問題点を集めて検証している。
◯全学校で情報活用能力を育成
- AI時代には「情報を見分ける力」が重要。
- AIの答えをそのまま信じず、事実確認を行う習慣が必要。
◯教員のAIリテラシー向上
- 教員自身がAIの仕組みや危険性を理解する必要がある。
- 校務や授業で適切に使えるよう研修を進めている。
④生成AIの利用で大切なこと
◯AIに丸投げしない
- 作文やレポートをAIに全部作らせる。
- 教師の代わりにAIだけで評価させる。
◯子どもの考える力を弱めないようにする
- 調べ学習をAIだけに頼る。
- 感想や意見を考える前にAIを使う。
◯人との関わりを減らさないようにする
- 教師や友達と話し合わずAIに相談ばかりする。
⑤活用が期待される例
◯情報モラル教育
- AIが作った間違った情報を教材として使い、見抜く力を育てる。
◯英語学習
- 英会話練習や英文修正に活用。
◯アイデア出し
- 話し合いや課題解決のヒントを得る。
◯プログラミング
- Pythonなどのコード作成支援。
◯美術や国語
- 画像生成AIで発想を広げる。
- 難しい内容をイメージ化して理解を深める。
⑥学校でのAI活用ステップ
1、AIそのものを学ぶ
- AIの仕組み
- メリットと危険性
- 注意点
↓
2、AIの使い方を学ぶ
- 質問の仕方
- AIとの対話方法
- 情報確認の方法
↓
3、教科で活用する
- 自分の考えを整理する
- 比較する
- 課題を解決する
↓
4、日常利用へ
- 検索エンジンのように自然に活用する段階。
⑦AIパイロット校について
◯令和5年度
- 全国37自治体・52校で実施。
- 小学校・中学校・高校などで実践。
◯令和6年度
- 全国39自治体・66校へ拡大。
- 継続して成果と課題を調査。
⑧実践事例
◯小学校:情報モラル教育
- AI記事と本物の記事を比較。
- 「ネットの情報をすぐ信じないことが大切」と学んだ。
◯中学校:英語学習
- AIに英文を修正してもらう。
- 発音練習にも活用。
:話し合い活動
- AIから別の視点やアドバイスを得る。
◯高校:プログラミング
- AIでPythonコードを作成。
:美術
- 画像生成AIで発想を広げる。
:国語
- 漢文や思想を画像化して理解しやすくする。
⑨校務利用
◯文書作成
- 保護者向け文章
- テスト問題
- 配布プリント作成
◯アンケート分析
- 記述式アンケートを自動整理。
➉アンケート結果
◯子どもへの影響:良い面
- 学習意欲が上がった。
- 創造力が高まった。
- 思考の幅が広がった。
:課題
- AIを信じすぎる場合がある。
- AIの仕組み理解が難しい。
- 正しい使い方の指導が必要。
◯教員への影響:良い面
- 校務の効率化。
- 文書作成時間の短縮。
- 働き方改革につながる。
:課題
- AIの利用に慣れていない教員もいる。
- 安全性や個人情報への不安がある。
⑪現在の課題
◯セキュリティ問題
- 個人情報がAI学習に使われる危険。
- 安全な環境整備が必要。
◯ハルシネーション
- AIがもっともらしい嘘を作る問題。
◯子ども向け最適化不足
- 大人向けAIが多く、子どもには難しい表現もある。
◯実践事例不足
- もっと多くの学校で事例を集める必要がある。
⑫今後の方向性
◯教育DXの推進
- 1人1台端末
- ネットワーク改善
- 校務DX
- デジタル教科書活用
◯学びの充実に向けたAI活用の目標
- 個別最適な学習
- 協働的な学び
◯情報活用能力向上
- 情報を正しく判断する力を育てる。
◯学びの保障
- 不登校や特別支援などにも活用。
◯働き方改革
- 教員の負担軽減。
- 校務効率化。
⑬最重要ポイント
◯AIは「考える力」を育てるために使う
- AIに答えを任せるのではなく、自分で考える補助として使うことが重要。
◯情報モラル教育が必須
- AI時代では「本当に正しい情報か」を見抜く力が必要。
◯教師の役割はさらに重要
- AIが広がっても、子どもの成長を支える教師の存在は必要不可欠。
若手教員が考える授業・業務改善につなげるAI活用法
結論から述べると
AIの活用は進めていった方が
業務の充実ができると考えています。
しかしながら、AIの活用を業務に丸投げする
という活用はお勧めできません。
なぜなら、教員というものは
常に子どものことを考えて
自己をアップデートしていかなくてはならない
職業だからです。
AIに任せすぎて、自分が考えることを
止めてしまうと、子どもに伝えられることが
できなくなってしまうと考えているからです。
ということで、AIの活用は
自分の助手だと思って活用していくことが
自己の成長、子どもへの教育、業務の改善に
良い効果をもたらしてくれると考えます。
では、どのような活用をすればいいのか
という話になると思います。
無料で使えるchat GPTやGeminiには
色々な相談をして欲しいと考えます。
私自身、記事を書くときも
授業を構成するときも
どんな時でも、まずは上司や友人
AIに相談します。
また、地域によっては
有料コンテンツを教育委員会で
予算化しているものもあると思います。
個人的に最近驚いたのが
ライフイズテックといツールです。
中学校の技術科における
「D 情報の技術」に対応した有料デジタル教材です。
プログラミングやAI、ITなどの基本が動画などで
楽しく学べます。
もちろん中高生に必要な情報教育の内容が
たくさん詰め込まれています。
また、知り合いの教員に伺うと
ノートブックLMというツールもかなり画期的だと考えます。
Googleから誰もが使うことができるのですが
AIがスライドを作成してくれます。
他にも、資料をURLで送信することで
読み込んでくれます。
chat GPTやジェミニなどは
URLを読み込んではくれないので
いちいちスクショを撮ったり
コピペしたりしながら
資料を読み込ませなくてはなりません。
ノートブックLMはその手間を省くことができ
例えば学習指導要領や生徒指導提要などを
読み込ませて、AIと会話ができます。
AIは様々なアイデアを提案してくれたり
文書の型を作ってくれたりと
教員にとっては心強い味方と捉えることもできるでしょう。
しかし、生徒にとっての学習支援と考えると
AIを活用する前に、高めなければいけない力が
あるのではないかと考えてしまいます。
ICTの活用についても
同じことが言えるかと思います。
そこについては、別な記事でお話しできればと
考えています。
いずれにしても
世の中の情報や新しい考えに触れるために
AIを最大限活用できれば
良いと考えています。
※【教員必見】個別最適な学びの課題と解決策
〜GIGAスクール時代の学習方法〜
若手教員によくあるFAQ
Q1. 学校でAIを使うのは本当に大丈夫ですか?
A.問題はないと考えます。
問題になるのは、全ての考えや業務を
AIに委ねることだと考えているので
自分の見解を広げることや
新しいアイデアを発掘してくれるという
使い方であれば、これほど心強い味方は
いないと思います。
また、子どもたちの活用と考えると話は別で
AIの活用よりも育てるべき方面があるのではないかと
考えています。
しかしながら、子どもたちの間でもチャットGPTなどの
AIは身近になっています。
そのため、賢い使い方の指導は必要と考えています。
Q2. AIに授業づくりや校務を任せても問題ありませんか?
A.問題はないと考えます。
記事内やQ1でも述べている通り
AIに丸投げというやり方でなければ
心強い味方です。
むしろ、授業の単元計画や授業内構成
指導案など様々なアイデアを出してくれます。
それが、授業づくりの負担軽減につながると
考えます。
文書の叩き台としても有効です。
また、校内掲示のポスターや授業のイラスト・スライド
など誰でも高質の視覚教材を短時間で作成できます。
キャンバなどを活用して、子どもたちに
掲示物や行事のポスターなどを
作成してもらうのも楽しい教育になりそうですね。
Q3. 子どもがAIに頼りすぎないためにはどうすればよいですか?
A.授業や学校生活からAI(やICT機器)を切り離すと
良いと考えています。
私の経験上、子どもたちにとってタブレット端末は
第二のスマホのような感覚であるように見えます。
情報端末機器を使いこなす以前に
あいさつや勉強の仕方、運動の必要性、掃除の仕方
などなど人間として最低限身につけておかないと
いけないことの指導が優先だと感じています。
誰でも分かることだと思いますが
AI(ICT機器)の技術よりも社会に出てから
困らない人間性の育成が求められると考えます。
Q4. 若手教員が今日から始められるAI活用はありますか?
A.まずは、分からないことをAIに聞きましょう。
授業や指導などの叩き台をAIに聞いた後
自分なりにまとめ(←これをしないと自分の力になりません)
先輩教員に添削してもらいましょう。
また、授業、部活、委員会、行事、生徒指導などなど
イラストやスライドで視覚教材を準備するだけで
授業構想や学校業務にかかる時間の短縮になります。
準備をすることで、自分の頭の中も整理できます。
まずは、AIに慣れることが大事だと考えます。
まとめ
この記事では、文部科学省の資料をもとに
学校現場における生成AIの活用状況や実践事例
今後の課題について紹介しました。
また、AIは授業づくりや校務の効率化に役立つ一方で
「考える力」や「情報モラル」を育てる視点を
忘れてはいけないことも分かります。
さらに、若手教員が今日から始められるAI活用法についても
具体例を交えながら解説しました。
最も大切なのは、AIを「教師の代わり」ではなく
「教師を支えるアシスタント」として活用することです。
AIは、アイデアを広げたり
文書や教材のたたき台を作成したりと
教員の負担を大きく軽減してくれます。
しかし、授業を深めたり子どもに寄り添ったりすることなど
子どもの成長を支えることは、教師にしかできません。
また、子どもたちに対しても
AIを使うこと自体が目的ではなく
「自分で考える力」や「人と関わる力」を
育てることが教育の本質であることを忘れてはいけません。
まずは、AIを気軽に使ってみることから始めてみましょう。
授業案の作成、学級通信や保護者向け文書の下書き
発問のアイデア出し、教材づくりなど
小さな業務から活用すると効果を実感しやすくなります。
ただし、AIが作成した内容をそのまま使うのではなく
自分で内容を確認し、自分の考えを加え
必要に応じて先輩教員へ相談することが大切です。
AIに仕事を任せるのではなく
AIを「相談できる相棒」として活用することで
教員としての成長と子どもたちへのより良い教育の
両方につながっていくでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
拙い文章でしたが、次回も読んでいただけると嬉しいです。











