教員は「研究熱心」というイメージが
あるかと思います。
実際に「校内研究」や
研修会などがたくさんあり
常に学び続けていると感じます。
しかし、教員がどれだけ学んでも
中々、子どもたちの学力が向上しない
なんてことを感じることがあると思います。
教員の研究・研修のあるべき姿と
自ら学ぶ子どもたちの育成の仕方を
考えていきたいと思います。
「校内研究」と「研修会」の実態
多くの学校では、「校内研究」という形で
何かしらの研究を学校全体で取り組んでいる
ことでしょう。
ICT機器を活用した研究や
主体的・対話的な活動に焦点を当てた研究
目標の設定や振り返りなどを重点化した研究など
学校の実態によって、様々な研究項目があると思います。
個人的には、自分の指導力を「見直す」という点で
大いに意味のある研究だと感じています。
しかしながら、先生方によっては
負担と感じていたり余裕がなかったりと
消極的に捉えている教員も少なくないと思います。
さらに、研究をするということは
「研究授業」をするということです。
これには多くの先生方が「きつい」と
声を揃えて言っているのを現場でよく耳にします。
確かに研究授業をするということは
「他の先生方に見てもらう」という点で
指導案から授業構成まで細かく設定しなくては
いけません。
若手で初任だった私からすると
「こんなにいいチャンスはない!」と感じていましたが
多くの先生方は、他にも多くの業務を抱えています。
また、「研修会」にも同じことが言えます。
教員は、「自己の崇高な使命を深く自覚し
絶えず研究と修養に励み、その職責の
遂行に努めなければならない」と
教育基本法の第9条で述べられています。
そのため、学校では、外部専門家を招いての
研修会を開催したり
教育委員会の設定する研修会に
参加することができます。
校内研究と同様、「学びのチャンス」
と捉えられる研修会もありますが
中には、動画視聴だけの研修会などもあります。
任意参加の研修会であればいいのですが
悉皆の研修もあり、特に業務量の多い教員は
研修会への時間がもったいないと感じる方も
少なくないでしょう。
校内研究や研修会は
若手教員には学びの機会となるが
業務量が多くなるにつれて
負担を感じることもあります。
※教員の働き方改革についての記事は
こちらを参考にしてください。
→【教員必見】働き方改革と給特法改正〜教育現場の課題〜
「指導力」と「学力」は比例しない?
前項で挙げた「校内研究」や「研修会」は
教員の知識や指導力を高めるために行われます。
では、研究や研修を積んだ教員がいれば
その学校に通う子どもたちの学力は
向上するのでしょうか?
実際にデータを取ったわけではないですが
おそらく、教員が研究や研修を重ねても
子ども学力向上に貢献できるとは
必ずしもそうとは言えないと考えています。
「分かった気」こそ伸びない
教員の研究や研修では
様々な授業実践効果や事例などの紹介で
「知識量」は増えると思います。
その知識を活用して、自らの授業に取り入れれば
「指導力」も向上していくと思います。
何を持って「指導力が向上した」と言えるのか
その授業での生徒の「理解度」や
「振り返りの記述内容」、「授業内小テスト」
などで見とることができると思います。
ただ、ここで注意をしたいことが
「分かりやすい授業をしたことで
授業の指導力の評価が上がった」と
感じてしまうことです。
授業中は、よくうなずいている
ワークもその場で解ける
しかし、期末テストや実力テストでは
点数が取れないというような状況を
経験した教員も少なくないでしょう。
授業内で分かりやすく教えてくれるので
「自分はできる」と思い込み
その後の継続に繋がらないと
言える側面があると思います。
過去にこのような話を聞いたことがあります。
教え方の上手な先生がいる塾よりも
「ここまで勉強してきて」と
課題を出す塾の方が
成績が伸びた。
子どもたちのためにたくさん研究や研修をしているのに
特に教えもしない方法の方が成績が伸びるなんて。
つまり
「教師の指導力が高い=生徒の学力が向上する」
という関係は必ずしも成り立たないと考えられます。
勉強をしなくても困らない
では、なぜ子どもたちは
学習を継続させることが難しいのでしょうか。
今の子どもたちは
- スマホもゲームもある
- ご飯が出てきて、送迎もあって、楽しみもある
- 成績が悪くても小言を言われるだけ
勉強ができなくても、「今」は困らないので
学習が継続しないと捉えることもできます。
しかし、将来のことを考えると
自分で課題を見つけ、考え、実行し、繰り返す力が
社会生活や仕事に必要な力だと思います。
生徒が自分で学び続けられる環境を整えるには
どのようにすればいいのでしょうか。
※課題解決力に関する記事はこちらを参考にしてください。
→【教員必見】課題解決型プロジェクト学習(PBL)の導入と効果
〜主体性が育つ授業づくり〜
主体的な学習とは?
学習指導要領では
「主体的に学ぶ」「自分で考える」
といった表現が多く見られます。
つまり、上手な説明や完璧な板書
分かりやすい例えなどは
手段であって目的ではないと考えられます。
では、どのような指導が必要なのかというと
正解へ「導かせる力」ではなく
課題を「見つけさせる力」
と言えるのではないでしょうか?
※学習指導要領についての記事はこちらを参考にしてください。
→【教員必見】次期学習指導要領の本質とは?
〜思考・判断・表現を育てる〜
教師は何を教える?
考えられる指導例としては
- 答えのない問いを投げかける
- 正解に向かわず、自分の考えを持たせる
- 現実的な考えを持たせる(一人暮らし、就職など)
具体的な発問例
「今日の授業で、疑問に思ったところはどこ?」
「それを解決するには、何が必要?」
「では、調べてみよう」など。
OECDのPISA調査(2022)では
以下のような調査結果があります。
日本の子どもは「学力テストの点数は高いが、
学習意欲が低く、自分で学ぶ自信がない」

学校を卒業した後も
自ら学び続けなければならない社会において
この結果は不安を抱いてしまいます。
前項でも述べましたが
疑問を持たせて、解決に向かうという
学習形態を進める必要があると感じます。
※思考力の向上に関する記事はこちらを参考にしてください。
→【教員必見】知識記憶から考える力を見る時代へ
〜思考・判断・表現の評価観〜
若手教員が考える「研究・研修」の活用法
そのような研究・研修ですが
教員の基礎的な力を高めるためには
必要だと感じています。
私が考える活用法は
「自分の授業や・指導を見直す」
足がかりにすることが重要だと考えます。
私は保健・体育が専門ですが
研究授業を考えるに当たって
重視していることが3つあります。
まず一つ目は、「単元の目標を明確に設定」
することです。
研究授業でなくとも考えていることですが
この目標設定を具体的な数値で設定
することが重要だと考えています。
50m走の記録、ラリーが何回続いたか
何メートル立たずに泳げたかなど
数値の目標にすることで
生徒にとって明確な目標になります。
そうすることで、評価がつけやすく
生徒たちも何を目指せばいいのかが
分かりやすくなります。
二つ目は、「用具の工夫と流れ」です。
走り幅跳びでは、UFOキャッチャーで取った
人形を目標物にすると、こぞって跳んでいました。
「届いたら景品としてあげる」と言ったことも
プラスの要素になったかもしれません。
器械運動では、マットや跳び箱を
アスレチックのように場設しました。
運動が苦手な生徒でも、楽しく取り組み
基礎的な運動能力を高めていました。
バレーでは、練習ゾーン(バドのコート)と
円陣パスゾーン、試合ゾーン(規格のコート)
と分けてローテーションすることで
運動量を確保していました。
これらは、ほんの一部ですが
どうやったら楽しく取り組めるか
効率的に動かせることができるかを
常に考えています。
3つ目は、本記事を読み解く上で一番重要です。
それは「指導案は適当」です。
適当と言うと、少し語弊があるかもしれません。
しかし、指導案の書き方や文字の語尾など
正しい書き方を求めるほど
貴重な時間が減っていきます。
初任者研修でも指導案の書き方を
模擬授業や授業検討会で行うことも
ありました。
確かに、より良い授業は指導案から
と言われますが
より生徒へ還元できる授業は
①目標の明確化と②工夫と流れ
を考えることだと感じます。
多くの先生方も研究授業を敬遠する理由として
指導案の作成の割合が大きいという
意見もあります。
ただでさえ忙しい教員ですから
貴重な時間を①目標の明確化と②工夫と流れ
に注いだ方が効果的・効率的だと思います。
若手教員によくあるFAQ
Q1.研究授業が怖いのですが、どう向き合えばいいですか?
研究授業は評価される場というより
授業を振り返る機会と捉えることが大切です。
完璧な授業を目指すより、アドバイスを受けて
「自分がどう感じたか」「生徒がどう学んだか」
に注目すると負担感も少ないでしょう。
Q2.研修会に参加しても授業があまり変わらない気がします。
意味はありますか?
研修会は、あくまで、自分の知識を増やす場です。
必要なことは、研修会で知識を得ている自分の姿勢を
生徒もできるような授業をすることだと思います。
つまり、自分が行なっている試行錯誤や
PDCAサイクルを生徒たちにも身につけさせるのです。
自分が努力をしていないと、生徒たちにも
学び方を学ばせることはできないですから。
Q3.主体的な学習を育てるにはどうすればいいですか?
教師が答えを教えるだけではなく
生徒自身に疑問を持たせることが重要です。
そのためには生徒の好きや興味・関心を
広げることが「分かりやすい授業」よりも
大事なことだと思います。
Q4.校内研究や研究授業は本当に必要なのでしょうか?
記事でも述べましたが
授業を客観的に見直す貴重な機会です。
よく校内研究では、「良いグループワーク」や
「主体的・対話的を育む」、「ICT機器の有効活用」
などの研究タイトルで進むことがあると思います。
そのような視点も必要だと思いますが
社会に出ても学び続けられる力を育てるために
疑問や興味を持ち、解決、調べるという力を
育てたいところです。
まとめ
本記事では、校内研究や研修会を元に
「教師の指導力」と「生徒の学力」が必ずしも比例しない
理由について整理しました。
研究や研修によって知識や授業技術は高まりますが
「分かりやすい授業=学力向上」ではないという考えです。
授業中に理解したように感じても
その後の継続的な学習につながらなければ
学力は定着しにくいからです。
生徒が自ら学ぶ仕組みをつくることが重要です。
完璧な説明や分かりやすい板書を求めるよりも
- 好きや疑問を持たせる
- 課題を見つけさせる
- 自分で調べて解決する
といった 主体的な学習を促す指導 が求められます。
若手教員が研究や研修を活用する際には
自分の授業を見直す材料として使うことが重要です。
特に意識したいのは次の3点です。
- 単元の目標を明確にする(できれば数値化する)
- 授業の流れや用具を工夫し
生徒が主体的に活動できる環境を作る - 指導案の形式にこだわりすぎず
生徒の学びに時間を使う
研究や研修の目的は「立派な授業を見せること」ではなく
生徒が自ら学び続ける力を育てる授業をつくることです。
生徒が「なぜだろう」と考え
学び続ける環境を整えることこそ
私たち教員にとって必要な
研究・研修だと言えるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
拙い文章でしたが、次回も読んでいただけると嬉しいです。








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